ウィーバー&ポジェ インタビュー 2

ウィーバー&ポジェのインタビューの続きです。

昨日書き忘れたのですが、これはイタリア語から訳しています。もともとのインタビューは英語で行われたので、それをインタビュアーのイタリア人が望む言葉で表した物が私の原文です。

なお、私も時々お手伝いしているこのサイトのスタッフは、一人を除いて全てボランティアで、働いたり学生をしながら好きでフィギュアスケートに関わっている人たちです。マッシモのものと今回のインタビューは、大学生のスタッフが二人で協力して行ったもので、英訳(または伊訳)もインタビュアー自身が手がけています。(だから更新に時間がかかるのです)

(ここから記事訳)


私たちの転機



Q:あなた方のプログラムについて聞かせてください。 今年のフリーダンスは昨シーズンのムーラン・ルージュとオペラ座の怪人と同じようにラブストーリーですね。 いつも同じタイプの演技をする組だという評価を恐れませんでしたか?


ケイトリン: 昨年のフリーダンスと今年のでは全く違うものだと思うのです。 もちろん男と女がリンクに立てば二人の間に何らかの関係を求めるものでしょう。何かが起きることを期待するのではないですか。 今シーズンの私たちのプログラムは悲劇に焦点を置いたものでした。 ムーラン ルージュはもっとドラマチックで違うタイプでした。

自分たちに「レッテルを貼っている」とは思いません。リンクの上ではどんなものもこなせると思います。 どのようなストーリーでも演じられると思います。人々は「Je suis malade」の印象が強いかもしれない、でも同じタイプの感動を繰り返し演じているわけではないと思います。 他にもどのようなことが出来るのか挑戦しやってみたいと思っています。


Q:来シーズンのショートダンスになるポルカについてどう思いますか ? 記者会見でスケーターにポルカへの準備はできているかと言う質問が出ていましたが、同じ事を聞かせて下さい。


アンドリュー: いいえ、今はまだ準備が出来ていませんが、この夏トレーニングをするつもりです。 今年のとは全く違う感じになるでしょうね。ポルカにどのようなバリエーションをつけられるのか、どのようなスピンを取り込むのか、見るのが楽しみですよ。

表現としては独特なアイスダンスですからね。 新しいシーズンを始めるのにワクワクしていて、刺激的なことを見つられるよう願っています。


Q:この選択があまり好きではないと言ったスケーターもいたようですが。


ケイトリン: もちろん完璧なダンスを目指し、出来うる最善のプログラムを目標にしますが、私たちの好みのダンスとは言いがたいですね。 個人的には、選択肢の中で特に美しいとも非常に楽しいとも思いません。

もしアイスダンスをより幅のある観客層に広め惹き付けることを目指しているとすれば、もっとモダンなものを選択すべきだったと思いますが。音楽選択の幅がもっと広くて、色々な選択肢を可能とするようなものをね。

昨年のワルツでは私たちはブルースとワルツを選択し、これは例えばマスカレイドとワルツの選択とはかなり違ってきます。 ポルカはかなり選択の幅が狭く、ポルカ以外は・・・・やりようがないので。 ともかくベストを尽くし、オリジナリティーあるスピンを考案するつもりです。

最良の選択とはいえませんが、他に道はないでしょう? これが私たちに課されたことなので。
本当はタンゴかそれに似たものを期待していたんですけどね。


アンドリュー: タンゴだったら良かったのに! 僕はミッドナイト・ブルースを期待してました。ジュニアのダンスだし、このリズムを活用すれば良かったのに。どんな音楽も使えるし、非常に美しいダンスだと思います。 いつか滑れるかもしれませんね。


Q:オリンピックシーズンに話題を移して、そのシーズンのショートダンスはフィンステップですよね。


アンドリュー: これもあまり魅力を感じませんね。新しい課題であまり知られていないし、一度しか実施されていない課題だと考えると、オリンピックシーズンにオリンピックチャンピオンを決める課題としてどうなのか...


ケイトリン: 私たちにとって有利な点は、自分たちのスタイルに容易くなじむ課題だということ。でもアンドリューが言ったように、このように重要なシーズンにこれほど新しいものを選択するのは、一種の賭けだと思いますけど。

いずれにしても完璧を目指し、持てる力を出し切ることに変わりはありません。 当然もっとタンゴにちかいものを期待していましたが、その時になればトップスケーターは最高のプログラムを披露するはずですし、その一員でありたいと思っています。


Q:ショートダンスと、オリジナルダンスか、オリジナルとコンパルソリーの組み合わせと、どれを好みますか?


アンドリュー: コンパルソリーが存在していた時は、それがとても好きでした。 二つの独立したプログラムと、一つのプログラムの中にコンパルソリーを組み込むのでは全く違います。それでは通常のコンパルソリーとは感覚も違うし、ステップの細部にまで注意を払うのとは違ってきますし。

パターン全体にではなく、全てがパターンのキーポイント周辺に集中するわけです。 これはコンパルソリーの最良の表現を抜き出すわけには行かないようになりがちです。

ショートはまだ発展途中ですし、僕らもそれに伴って向上するつもりですが。 プログラムを楽しむことが出来るようになりましたし、ここ二シーズンとも自分たちのショートダンスを滑るのが楽しかったです。 ショートが向上する策が見出された時には、更に気持ち良く滑れるようになることを祈りますよ。


ケイトリン: ショートダンスが導入されてからのプログラムは二つとも大成功だったのです。 何か違うアプローチを見出し新しい何かを盛り込むことができると信じています。 アイスダンス全般について最善を祈りますし、何を要求されるにしてもやり遂げて見せます。


Q:成功の要因は何だと思いますか (ショートダンスで)? あなた方のコーチがこの課題で要求されることを見抜いたからでしょうか。それともジャッジが望むことを実現して見せたからでしょうか?


ケイトリン: 全てはパスクワーレの功績だと思います。 ジャッジが望むことなど何も分かっていませんでしたし、どの方向性を目指せば良いのかも。彼がはっきりとしたヴィジョンを持っていたので、彼の指導に従っただけなのです。

今後何が起きるか、何を期待し何が期待されるか分かりませんが、パスクワーレが言うことなら何でもやりますよ。 それがジャッジが望むことなのを祈りながらね。


Q:チーム・イベントについてどう思いますか?


ケイトリン: 全く新しい試みですよね。 観客にとっては素晴らしいことだと思うし、私たちにはリンクにあがって演技をするもう一つの機会を与えてくれることになります。オリンピックの一種のトライアルになるのでは。 どれだけ重要か、私たちの目標リストのトップに来るかはまだ分かりませんが、ビリビリ来るような期待はありますね。


Q:トレーニングをいっそう激しく積む必要があることは、心配ではありませんか? 従来より一競技多くなるわけですよね。


アンドリュー: 昨年のモスクワ世界選手権で出た予選のような感じではないかと思います。 アレーナの状態を見るには良い経験だったし、本選のときに落ち着いて臨むことが出来ました。

スタジオでどのような感覚を味わうかあらかじめ知っていることで、自信がいっそう増した気がしました。 同じように団体競技に臨めると思います。 リンクに立って強力な演技を見せるとともに、僕らの主要目標にも役立つ経験に出来ると思うのです。


Q:パスクワーレ・カメルレンゴとマッシモ・スカリについて聞かせてください。あなた方とは異なる文化背景を持つ彼らとの関係はいかがですか?


ケイトリン: パスクワーレとマッシモはどちらもイタリア人ですが、彼らは全然似ていません。 備えているエネルギーのレベルが違う。

パスクワーレは輝かしいアーティストであり、優れた知能を備えていて、毎日彼からインスピレーションを刺激されています。コーチとしてだけではなく、人としてもです。

単なるスタッフではなく家族同然ですし、私たちの人生にずっと関わっていくと思います。 氷上だけではなく、毎日彼から新しいことを教わっています。

マッシモはエネルギーの塊です。常に「そらそら、がんばって行こう!」と言っています。 「そらそら!」って。マッシモとトレーニングするのは実に実にきついです! 厳しいトレーニングを強いますが、素晴らしくもある。

競技を引退したばかりなので競技感覚が明確に残っているのでしょうね。 だからこそ現在何が求められるかをよく理解し、どれだけのトレーニングが必要で、その中でどのように感じるか分かっています。本人も経験し、素晴らしいキャリアを残したのですから。僕らのチームに非常に重要な構成員となっています。 彼とトレーニングするのが大好きです。


Q:マッシモへのインタビューで、どのようなタイプのコーチだと自認していますかと質問し、厳しさと包容力がバランスよく備わっているとの答えをもらいました。


ケイトリン: 非常に的確な描写だと思います。


アンドリュー: 相手に必要なことを要求する時は厳しいけれど、限度はわきまえていて、全ては相手のために要求しているのだと分からせ、支えてくれます。


ケイトリン: トレーニングは激しいけれど、暖かいハートも持っています。 たとえあまり上手くできていないと言われる時でも、常に真実を言っていることは間違いないし、どちらにしてもわかりあうのは難しくないです。 理解があるし、情が熱い人だし、厳しさと優しさ双方の良いところを備えていると思います。


Q:パスクワーレは?

ケイトリン: 彼も支えになってくれます。「パスクワーレ、今日はヘタヘタなの。」と言っても大丈夫。あなたが最善を尽くせるように励ましてくれます。あなたの状態が良くても悪くても、常に最善を尽くさせるように計らってくれます。 マッシモとはまた違います。

パスクワーレについて私たちが一番恐れていることは、失望させることです。いつでも満足していてもらいたい。 彼が満足なら全員がそれを感じます。 私たちのスタッフ全員が非常に高いレベルを要求するのです。 誰が誰より厳しいとは言えません。全員が完璧を要求します。


アンドリュー: 各自が常に異なることを要求するのです。 あることが上手く行ってある人が満足してくれても、他の人は「良かったけど、できれば...」と言うのです。


ケイトリン: 彼らの一人ひとりから異なるフィードバックを受けます。彼らの全員と時間帯ごとに毎日トレーニングをするのですが、誰もがそれぞれ独自の指導を授けてくれます。
.16 2012 記事訳 comment0 trackback0

ウィーバー&ポジェ インタビュー 1

ウィーバー&ポジェのインタビューを訳しました。今期の好調さを物語る自信にあふれたすがすがしい内容です。

(ここから記事訳)


私たちの転機


彼らが4位を獲得したニース世界選手権にもどりケイトリン・ウィーバーとアンドリュー・ポジェのインタビューをお送りする。

二人は昨シーズン観客からの圧倒的な声援を受けたカップルだ。フランスでArtonIceのスタッフに心底感じ良く応じてくれたカナダのアイスダンスカップルを、より深く知ってもらう機会になることを願う。


Q:今回の選手権に当たっての目標を教えて頂けますか?目標は達成でき、成果は満足のいくものでしたか?


アンドリュー: 僕らのスケーティングについては心から満足しています。双方のプログラムで特別な感動をかき立てることを祈ってニースに来たのですから。特にフリーでは。というのもこのプログラムの持つフランス色から特別な効果を生むことを知っていたからです。

どちらのプログラムもミスなく滑りきったことが満足で、特に感動を与える演技が出来たことを喜んでいます。


Q:昨シーズンの世界選手権の結果を受けて、5位に値する組だと証明することを望んでいましたか?それとも自分たちの実力を発揮することに集中していたのでしょうか?


ケイトリン: 昨年の世界選手権後に新たな自信を得たことは確かです。それと新しいモチベーションも。 自分たちの力を信じて後ろを振り向くことはなくなりました。 私たちのキャリアにおける一つの転機になりました。最終グループに値する実力と、メダルの獲得に向けて戦う資格があると自覚することで。

それ以来自分たちの実力に疑問を抱くことはなくなりました。 これは自分たちにとって全てと言えるほど重要で、今シーズンの好調の助けになったのだと思います。 何かを証明する必要は感じませんでした。置かれた状況に見合う価値を有していると自覚していたからです。

トップグループに値すると回りに言う必要などなく、単にその状況に見合うと自認していて、ですから最終グループに入ったり、銅メダルをかけて戦うことは決して想定外ではなかったです。 予想通りでした。それが自覚していた実力だったからです。


Q:キャリアの転機になったきっかけは、何だったのでしょうか?


アンドリュー: 昨シーズンの初めにナショナル・キャンプ (High performance Camp) があって、これは毎年行われるのですが、自分たちのプログラムを披露しその評価を見るということで。 ショートダンスを滑ってあまり上手く行かなかったんです... (笑う)


ケイトリン: ... ひどい出来でした!! (笑う)


アンドリュー: その後パスクワーレとディスカッションをして、彼が「スポーツの世界で頭角を現したかったら、自らのためにも、競技のときに、トレーニングで毎日出来ているのと全く同じことを見せなければならない。」と言ったのです。

この言葉で、一年を通して僕らが精神的な安定感を得ることが出来、年間を通じて達成した進歩の基本となり、リンクに立ってただエレメンツをこなすだけではなく、真の意味でスケートをするための、競技強いメンタルをやっと把握できたのだと思います。


ケイトリン: 過去にはどこかでセーブしていたのだと思います。ミスをするのが怖くて、全ての面で完璧を求めていました。 でもこれでは競技になりません。 競うとはリンクに立って全てを見せきること、ミスや疲れや完璧さにとらわれずに、エネルギーの全てを振り絞ることなのです。

パスクワーレにはキャンプで脅されましたよ。「これでは、どこに行ってもどの競技に出ても駄目だ。セーブしながら滑ることをやめなきゃ。」

そこで思ったんです。「下位グループに入るなんていやだ!」って。 これが僕らにとって決定的な瞬間でした。 (理解した瞬間) たとえ顔から転倒したとしても、自らの最善を尽くして滑るという意味で。 それ以来常にこれを目指しています。


Q:トロントからデトロイトに拠点を移すことはいつ決めましたか?あの頃アイスダンス界で最高のコーチといえばシュピリバンドとズエワでしたが。 何故クリロワ/カメルレンゴなのですか?


アンドリュー: あの時はシェイ=リーン (編集注:ボーン) が僕らにとって最善の正しい方向性を導いてくれるだろうと確信していました。僕らのメインコーチで 絶対の信頼を置いていたからこそ、他の施設で毎日のトレーニング環境を変えるようにというアドヴァイスを受け入れたのです。

彼女はパスクワーレとアンジェリカを崇拝していて、どのような人物かも理解していたので、僕らのコーチとして上手く行くかどうか見たかったのです。 このようにしてパスクワーレの元へ行きトライして見て、他にも選択肢はあったのですが、初回から僕らに適していると分かり、絶対に上手く行くと思いました。


Q:それでカントンには行かないことにしたのですね。


ケイトリン: その必要がなかったのです。 もちろんそれも一つの選択肢でした。彼女 (シェイ=リーン) は、 「いくつか候補地があるのだけれど、パスクワーレのところが最善だと思うの。 いずれにしても最善の選択をするために、全てにトライしてやるべきことは全てやってみましょう。」と言いました。

パスクワーレとアンジェリカのところへ行ってすぐ「ここが僕らに必要な場所だ。」と思いました。 トロントを離れたくなくて、このままでも全てが完璧だと思っていたのですが、彼女の方が僕らにとって最善の道を理解していると思っていたし、離れるべき時だと言ったのでその通りにしましたが、彼女の言うとおりでした。 (微笑む)


Q:Detroit Skating Clubにあって、Arctic Edge Clubに欠けているのは何でしょうか


ケイトリン: マジック!


アンドリュー: リンクが持つ独特の雰囲気、みんなが仲良くて、お互いを気遣って、これはリンク外での友情だけに見られることではなく、リンクで毎日呼吸する空気すら、毎日前進しお互いに刺激しながらより良いスケーターになれるように向上していく後押しをしているのだと思います。 これはクラブが得た成果でもはっきり分かることでしょう。


Q:ではナタリーとファビアンがDetroit Skating Clubに来た時も、同じくトップレベルのトレーニングメイトが加わることに恐れはなかったのですか。


ケイトリン: 反対に、とても喜んでいました。自分より優れたスケーターと共にトレーニングすることで、トレーニングに10倍も身が入りますから。

自分たちのモチベーションについては問題はありませんでした。毎日目覚めと共に、自らの最善を尽くしてトレーニングしていました。 最大のライバルと毎日一緒にトレーニングするということは、これ以上ないほど幸運でした。

昨シーズンの彼らは私たちよりはるかに実力が上でしたが、今シーズンは二組は伯仲しています。これは私たちがどれだけ向上したかの証明であり、更にどれだけ向上できるかの証でもあると思います。 二人が来た時とても嬉しかったです。私たちの実力向上にまたとない助けになるとわかっていたので。


Q:では来シーズンはフランスチームに「追いつき」更に上を目指すつもりですか?


アンドリュー: これが僕らの希望です。来年は世界選手権で表彰台に上がりたいし、そのためには誰かを押し出さなければ...ですよね。 (笑う) トップになりたいので、トップを目指します。


Q:カナダ選手権について、前と同じ質問をしますね。というのもこの選手権では、とくにショートダンスで、あなた方の得点とヴァーチュー/モイアーのそれが伯仲していたからです。 彼らがミスをしたとはいえ、これまであなた方と彼らの点差はかなり開いていた...


ケイトリン: 得点を見たときは本当にショックを受けました。 自分たちが素晴らしい演技をしたことは自覚していましたが、彼らの演技は知らなくて、何が起きたのかも、点差がこれほど接近しているのを見たときは「信じられない。どうしてこうなったのだろう?」と思いました。

今では彼らからそれほど引き離されているわけではないことをだんだん自覚できてきて、更にその差を縮めたいと思っています。 カナダにとっても、二組(同国の)が表彰台に上がるのは素晴らしいことだと思うのです。

これがもちろん私たちの主要目標ですが、いつまでも彼らの後ろで甘んじているつもりはありません。 差を縮めているので、このまま継続してどうなるか見るつもりです。オリンピックまではまだ時間がありますので。


Q:それではオリンピックに向けたあなた方の目標として、カナダのトップチームになるということがあげられますか?


アンドリュー: トップチームになりたいというのだけが目標です!


ケイトリン: ... 今年は大きく前進したし、二年間でどれだけのことが出来るかと考えると、自分たちの可能性は無限だと思うのです。 自らの精神を開放し、目標を高く掲げ、その上で挑戦しどうなるかを見極めたいと思います。


Q:前回のオリンピックを振り返って、前回は出場権を獲得できませんでしたね? 今から振り返って、あの経験が今の糧になっていると思いますか?それともいまだに出場したかったと思いますか?


アンドリュー: あの経験は出来れば避けたかったですが、でもあの経験が今の自分たちにとって有意義だったということは認めます。 僕らのやる気をかきたて、簡単にはへこたれないこと、出場できなかったからといってあきらめないことを見せられたからです。

オリンピックに出場するだけではなく、出場してトップ中のトップとして競技に挑むのが僕らの目標です。 あれは僕らのキャリアで避けては通れなかった一つの出来事に過ぎません。


ケイトリン: もちろん当時はこの世の終わりのように感じていましたが。 子供の頃からオリンピック出場を夢見てきたので、出場権を得られなかったときは胸が張り裂けそうでした。とてもつらい経験でした。

でも あの経験がなければここまで到達できなかったと思います。 あれも必要な経験で観衆もそれを 理解していると思います。特に振り返ってみて再び同じ境遇に置かれたくないと強く思うのです。全力を尽くします。いつも教訓として思い出すのです。


.15 2012 記事訳 comment0 trackback0

マッシモ・スカリ インタビュー3

マッシモ・スカリのインタビュー最終部です。特に差し障りのあることを言っている訳ではないのですが、かなり率直だと感じるのはどういうわけでしょうね。ここではデトロイト拠点のスケーターたちについてと、ソチへの展望、チームトロフィーへの意見を述べています。(やっぱりナタリー達とはやりにくかったみたい)

(ここから記事訳)

Q:あなたのところで見ている組についてですが、少し前からイタリアのアレッサンドリーニ&ヴァトゥッリ組みが加わりましたね。この組はどんな感じですか?拠点を移してからのわずかな時間で進歩が見られましたか?


マッシモ: この二人とのトレーニングはとても激しいものです。世界選手権のわずか二ヶ月前に移ってきて、すぐにプログラムを一部手直しするための作業に取り掛かりました。特にフリーに手を加えました。二人とも非常に練習熱心で、私たちのチームの元に移ってくれたことをスタッフ全員が喜んでいます。才能のある選手たちで、イタリアのアイスダンスを代表する組になれるだろうと期待されています。僕らは「ダイヤモンドの原石2個」と呼んでいるんですよ。

まだ上達するべきことはたくさんありますが、技術面でも表現面でも。それでも元々の素質が非常に優れているので、我々のチームに来てくれたことが、本当に嬉しいです!


Q:指導している他の組についても、うかがっても良いでしょうか?

マッシモ: もちろん。シーズンを通じて特に多くの指導をしたマディソンとザックには、個人的に非常に満足しています。 (編集注:ハベル&ドナヒュー ) 二人ともパワフルで、技術とアーティスティックな面を程よく持ち合わせて、独自の個性を表現できる組だと思います。現在のアイスダンスではとかく軽視されがちですが、僕が思うには必須の要素です。この二人の世界選手権での成果にとても満足していますし、100%の力を発揮できなかったかもしれないですが、組んで一年未満で10位以内に入ったことを考えると、今後の成果を考えるとワクワクしてきますよ!

ケイトリンとアンドリュー (編集注:ウィーバー&ポジェ) はまた別の非常に素晴らしい組です。去年から見ると全く別次元のステップを登ったといえ、今年は名実共にアイスダンスのトップの仲間入りをしました。今シーズンのプログラムは二つとも素晴らしく、二人とも練習熱心で、彼らともトレーニングするのは非常にやりがいがあります。

ナタリーとファビアン... (編集注:プシャラ&ブルザ)彼らとは最初の頃は妙でした、だってフェデリカと僕が長年ライバルとして戦ってきた組だったので。でも自分の競技生活に何も思い残すところがなかったので、過去のしがらみは断ち切って彼らとのトレーニングも上手く行くようになりましたが。

オーストラリアの選手 (編集注:Obrien/Merriman) も非常に良い選手たちで、世界選手権では非常に良くやり、自国に歴史的な成績をもたらしました。このように意欲に満ち指導を真摯に受け止める選手たちを指導できることはとても幸せです。


Q:見聞きする情報によればデトロイトではチームワークが非常に上手く働いているようですね。


マッシモ: ええ、これがデトロイトのもう一つの素晴らしい点です。グループ内の団結が非常に強く、全員で一緒にいるのは素晴らしいです。お互いに応援しあったり、ケイトリンが自分のフリーの後、リンクサイドで応援し、ナタリーを抱きしめたシーンが象徴するように。愛情の証であると共に、偉大なスポーツ精神でもあると思います。


Q:わがイタリアの一番手、アンナ・カッペッリーニとルカ・ラノッテについて話してください。


マッシモ: アンナとルカは昨シーズンに比べて格段の進歩を見せました。世界選手権でも健闘し、良い演技を見せたし、プログラムも優れたものだった... パオラ(編集注:メツァドリ)の指導の成果が良くわかりますよ!

でも、世界のトップチームの仲間入りをするには、もう一段、階段を上る必要があると思うんです。ケイトリンとアンドリューが昨シーズンから見せたことをアンナとルカも来年成し遂げるように祈ります。トップ中のトップに入るだけの素質は全て備えていると思うので。彼らが見せるエレメンツと全般的なスケート技術がすきだし、二人とも優れたスケーターだと思います。


Q:もう一段、階段を上るには、何が必要とされるのでしょうか?精神的な問題だと思われますか?

マッシモ: ええ、ステップを登るのは純粋に精神的な問題です。どれが的確な要素なのかははっきり言えませんが、頭の中の何かが変化することで、成熟し、更に上のステップへと上がれるのです。

僕とフェデリカはこの精神的なプロセスをバタフライのプログラム (編集注:Yentl,のフリー 2007/2008年度)を滑った年に経験しました。アメリカに渡って二年目のことです。頭の中で何かが変化し、全てが違って来て、異なる段階に移るのです。

Q:ケイトリンとアンドリューはモスクワの2011年世界選手権で、チャンピオンの演技を見せました。比較してグランプリシーズンでは、必ず何かミスをしていたのに...

マッシモ: そう、最近では彼らが正に「一段上がる」最も顕著な例を見せてくれましたよ。何も特別なことはしなくとも、的確なプログラムに恵まれ、トレーニングも上手く行っていて、加えて何かが彼らの頭の中で変化して、それによって一段階上のスケーターへと変わったのです。


Q:イタリアのアイスダンスの現状、ジュニアとシニアについて、どのように思いますか?


マッシモ: ジュニアレベルのイタリアのダンスについてはほとんど知らないと言わざるを得ません。スフォルツァ&フィオレッティ組は去年少し見たので知っていますが。他の組については最近の動向を知らないので、判断が出来ません。(スフォルツァ組は)練習熱心で才能もあるスケーターなので、今後の活躍を祈っています。


Q:ソチの予想は?


マッシモ: 難しい質問ですね! ロシアにとっては自国開催のオリンピックで、でも誰もが知っているようにオリンピックは四年かけて到達するもので、最近のロシアの指導法は大きな成果を上げていないですからね。

最も大切なのはその国の一番手が誰かをはっきりさせることで、今の状況ではロシアにとってはそうなってはいないのです。確かにロシアの最有力二組 (イリニフ&カッツァラポフ組とボブロワ&ソロビエフ組) の実力は均衡していてどちらが上かを判断するのは難しいです。

ニキータとエレーナの比類なき才能については疑問の余地がないでしょうが、今シーズンの音楽の選択と振り付けについてあまり彼らに適していたとは思えないのですが、それでも彼らは素晴らしかったです。上手くてスピードもある。僕が選択するとしたら彼らに集中するでしょうね、もちろんそれに見合うチームを構成しての話ですが。


Q:あなた方のプシャラ&ブルザ組とウィーバー&ポジェ組が、この2年でシュピリバンド門下を越えることが出来ると思いますか?


マッシモ: ここの所ウィーバー&ポジェについて聞いたコメントでは、多くがヴァーチュー&モイアーより好ましかったといっていました。技術面ではまだ彼らのレベルには達していないでしょうが、感動を呼び起こす面では勝っていたのではないでしょうか。(ウィーバーたちの)フリーは素晴らしいものでした。ですから2年で適切なトレーニングと良いプログラムに恵まれれば、超えることは無理でもかなり接近することは可能なのではないかと思います。


Q:カナダ選手権のショートダンスでは、ウィーバー&ポジェ組の得点とヴァーチュー&モイアー組の得点はそれほど差がなく、僅差といってよいほどで、テッサがミスをしたとはいえ、ジャッジの評価はPCSでもケイトリンとアンドリューとの間にいつものような圧倒的な差はなかったようですが...


マッシモ: ええ、あれがジャッジが見せた最初の兆しかもしれません。彼らの成功を祈ってやみません。激しいトレーニングを積んできたのだし、今シーズンは全く違う精神状態で望んできたし、ですからソチまでこのまま上昇していけることを祈りましょう。

ナタリーとファビアンに関しては、彼らも表彰台を賭けて競っているのだし、今シーズンは適した音楽を使った良いプログラムに恵まれ、充分なトレーニングを積んできたのです。実力は伯仲していても、残念ながらメダルは3つだけなんですよ!

今回の世界選手権で最終2組のプログラムは実に見ごたえがありました。これが前哨戦だとしたらソチのアイスダンス競技は非常に素晴らしいものとなるでしょう。常によりより物を作るのは易しいことではありません。男子競技の最中に既に来シーズンの音楽について少し考えていました。誰にとっても来シーズン自分にあった音楽を選択すること、更にオリンピックシーズンの音楽については非常に重要です。


Q:次期オリンピックから導入されるチームイベントについて、どう思いますか?


マッシモ: 興味深いと思います。僕らスケーターは競技はいくつもの滑走に分かれているのに(予選の他にCDもあったので)、他の種目では 滑走ごとにメダルが授与されるのに対し、総合得点のみでメダルが授与されることに不満を述べてきたので。ですからとても面白そうだと思います... 僕も復帰したくなりましたよ! (笑)

確かに易しくはないでしょうね。僕らはこの種のイベントに慣れていないので、しかもオリンピック競技の一環としてですから... 最も重要な競技の前に別の競技に臨むのは易しいことではないと思います。特に精神面で難しいと、体力面では上手く対処できると思いますが。


Q:マリーナ・ズエワは個人競技の前に競技に臨むことは非常に有効かもしれないとコメントしています。一種のトレーニングだと捉えれば、更に団体で競技に臨むことでストレスも分担することで軽減できるでしょうし。


マッシモ: ええ本当ですね。ただ団体戦の結果が個人選の評価に影響しなければ良いと思います。今回の世界選手権の結果についてはとても満足しています。現役時代を合わせて、僕が覚えている限り最良のジャッジが行われた大会だったと思います。特に僕が最もよく理解できるアイスダンス競技において。

今後もこの方向に向かっていくことを祈りたいです。フィギュアスケートにはこれが重要なんです、真のスポーツなんだと認識されることが。ジャッジやその他の操作に左右されるスポーツだという風評を一掃しなければならないのです... もちろん常に個人の感覚の差というのは残るでしょうが、今回の世界選手権ではこの観点でも非常に満足できるものでした。


快くインタビューに応じてくれたマッシモの感じのよさにも感謝し、来シーズンの健闘を祈りたい!

.03 2012 イタリアンスケーター comment0 trackback0

マッシモ・スカリ インタビュー 2

ロングインタビューの第2部です。デトロイトでのチームワークと今後のチーム目標、シュピリバンドチームとの違いなどを語ってくれています。

(ここから記事訳)

Q:パスクワーレとアンジェリカについて聞かせてください。


マッシモ: 素晴らしい人たちです。僕とフェデリカは拠点を移して以来心底満足していました。前にも言ったように、彼らの指導は僕らの競技生活の根幹でした。

二人は非常に異なるパーソナリティーで、アンジェリカは手強いです。ロシア人ですからね!二人を合わせると、選手が必要とするあらゆる局面をカバーできるわけです。


Q:イタリアの指導法についてどのような意見をお持ちですか? 近年、特にアイスダンスにおいては、表現に比重を置いたイタリア独自のスタイル確立に努めているように感じるのですが。

アンナとルカやステファニアとオンドレイもその方向性を目指していますよね。そしてフィンランドで指導に当たるマルガリオがいて、フーザルポリはミラノで教えているし、あなたはデトロイトを拠点としている。この点をどのようにお考えですか?


マッシモ: イタリア人が持つ特性やパーソナリティーは、氷上においても、僕らやマウリツィオやバルバラ、パスクワーレがこれまでにも証明して見せたように、常にイタリア人の長所だったわけで、僕らのDNAの一部なんだと思います。

残念ながらイタリア・アイスダンス界の現状は困難で、このため僕らの多くが海外に拠点を移さざるを得ないのです。

イタリアにも、バルバラやパオラ・メッツァドリ、現在もアンナやルカを指導するリッツォ、ロベルト・ペッリッツォラのような多くの実績のあるコーチが存在し、能力のある技術指導者や著名な人材もいるのですが、残念ながら互いに協力してチームとして一つの指導法を打ち出し、チャンピオンを育て上げる(才能ある選手も沢山いるのですし)ことよりも、お互いのライバル意識に明け暮れる傾向があります。


Q:シュピリバンドとズエワのチームとあなた方のチームが現在最も重要だと思うのですが、今回の世界選手権で彼らは表彰台の1位2位を抑え、あなた方が3位と4位を獲った。近年は及びがたいほどの強さ誇ってきたように感じるのですが、この「圧倒的な強さ」について、どう思いますか?あちらとあなた方の違いはどのようなところでしょうか?


マッシモ: シュピリバンドは非常に長い指導経験があり、アメリカで教え始めてからも長い年数がたっています。デトロイトの僕らのチームの一員であるリズ(エリザベス)・スワローが彼の教え子でした。特に技術面で圧倒的な強さを誇る指導法を確立しました。この面からは全く非の打ち所がありません、見事な技を見せてくれます。エレメンツをこれ以上ないほど完璧に実施する技術レベルに到達しています。

僕らデトロイト組みが到達しようと目指しているのは、技術面で高いレベルに到達するだけではなく、見るものの感情に訴える演技で、これは以前ダンスがその特性としてきた方向により近いと思うのです。近年はかなり軽視されてきている気がしますが。今のところトップ2組は不敗ですが、将来的には僕らが追い越すことを目標にしています!


Q:一方この両チームに共通しているのが、同レベルの組を多く指導していることではないでしょうか。シュピリバンドチームについては何度もこの点が指摘されていますが、あなた方も例えばプシャラ&ブルザ組とウィーバー&ポジェ組がほぼ同レベルで、今回の世界選手権では3位と4位に入ったわけで、同レベルの多くの組にどのように取り組んでいますか?


マッシモ: 僕らのチームの良いところは全ての組に対して自らの100%を与えようと務めることで、これによってどの組も「一番手」だ「二番手」だと感じることがないように 気を配っています。全ての組と同等の労力でトレーニングを行います...

最終的には、チーム内の競争を利点として、トレーニングをより効率的により良く行う糧とするか否かの選択は彼ら自身にゆだねてあります。

この非常に重要な要素が僕とフェデリカには常にかけていて、ミラノでもアメリカでも、僕らは常に孤独なトレーニングをしてきて、トップレベルの他の組と同じリンクでトレーニングをするのはまったく別な効果を生みます。毎日リンクに立つ度に競争があり、更に上達するために前進あるのみとなるでしょうから。


Q:デトロイトでのチームの管理はどのような物ですか?あなた方の各自に役割分担のようなものがあるのでしょうか?


マッシモ: デトロイトのチームは5名のコーチ、パスクワーレ、アンジェリカ、僕、ナタリア・アンネンコとリズ・スワローで構成されています。これにより一日4セッションをカバーする事ができ、僕らの教える組が自分たちだけで滑ることはほとんどありません。

僕とパスクワーレ、アンジェリカは振り付け担当で、リズとナタリアは技術面を担当し、教え子たちのオフアイスの指導のみではなく、氷上で振り付けの細部まで指導をしてくれるダンス教師を、チームに参加させようとしているところです。

僕の意見ではこのコーチ5名の協力体制がチームの長所で、イタリアの指導法について触れた時に言いたかったのは、まさにこの点なのです。大きな違いを生むのは、個別にではなくチームとして指導の全ての局面をカバーするスタッフの存在です。僕らはお互いに非常に上手く行っていて、ライバル意識などなく、毎日リンクに上がるのが楽しくてなりません。
.03 2012 イタリアンスケーター comment0 trackback0

マッシモ・スカリ インタビュー訳 1

ArtOnIceにアップされた、マッシモ・スカリのロングインタビューを訳しました。始めてみたらともかく長いので、とりあえず一部アップします。引退直前の心境からデトロイトへ行ったきっかけ、現在の心境などを語っています。デトロイトでのチームワークの様子やパスクワーレやアンジェリカについて、デトロイト拠点のスケーターたちについても話しているようで、とても興味深いインタビューです。

(ここから記事訳)

マッシモ・スカリ、挑戦は続く

今シーズンはキス&クライで、選手としてではなくコーチとして座る彼の姿がしばしば見られた。フェデリカ・ファイエラと組んで、2010年の欧州選手権銀メダル、世界選手権銅メダルにいたるまで、長年イタリアのアイスダンスを牽引してきたマッシモ・スカリは、ニースでArtOnIceのスタッフと新たな活動などについて長いインタビューに答えてくれた。以下にそのとき行われた広い話題に触れたインタビューを掲載する。


Q:ご自分のキャリアについて現時点での最新状況を教えて頂けますか? まずフェデリカとあなたは引退を発表しましたね、その後ご自分の公式サイトに競技に復帰する意志をメッセージの形で掲載した。しかし現在あなたはデトロイトで活動しており、フェデリカはイタリアにいる。どうなっているのでしょうか?


マッシモ: 引退の決定は2011年欧州選手権の「惨敗」後に下したことです。あれは僕らにとって非常につらい試合となり、その後に競技を継続するモチベーションを失ったからです。そのため世界選手権には出場しませんでした。

その後の数週間を実家で過ごし、その更に数ヵ月後に一ヶ月遅れた世界選手権が開催されました。その時点では、引退の決定をしたのが欧州選手権の失望の直後だったため、僕らの氷上でのキャリアはまだ終わったわけではないのではと言う気がしたのです。

そこで復帰の考えが浮かんだわけですが、4月のショー出演から始める予定でしたが、フェデリカが階段から落ちて怪我をし、脊椎骨を一箇所骨折し背中の手術が必要となってしまいました。この瞬間から状況が変わってしまったのです。彼女のリハビリ期間は長引き、背中の痛みは何ヶ月も続いている間に、僕は思いもよらず新たな仕事に全面的に取り組むようになっていました。少なくとも一年のサバティカル(休息)を取るつもりで、補佐程度のつもりでいたのが、デトロイトに着いたとたんパスクワーレとアンジェリカはすぐにフルタイムでチームワークに組み込んだのです。

この二つのことが組み合わさって復帰の考えは当面棚上げにされました。更にフェデリカは現在警察での研修に完全に集中しており、ブランクはあまりにも長くなってしまい、これからフルコンディションに戻すのは、特に現在のダンス界のレベルを考えると、非常に難しいと思います。


Q:近々ショー出演の気持ちはありますか?それともコーチ業に専念するつもりでしょうか?


マッシモ: ショー出演が難しいのは、僕が現在アメリカに居り、フェデリカはイタリアに住んでいて、僕が仕事を離れてイタリアへトレーニングに戻る時間はなく、彼女も自分の仕事のためアメリカまで来る時間はないので、実現しないだろうと思います。これがファイエラ&スカリの氷上でのエンディングなのかまでは、まだ分かりませんが。


Q:最後の欧州選手権シーズン (2010/2011)についてですが、時間を経て振り返ってみて、あなた達に多くの成果ををもたらしたオリンピックシーズンの後に来たあのシーズンは、どんなものでしたか?


マッシモ: 後悔は全くありません。あのシーズンに直面したことは良い経験だったと常に言ってきたのは、もしやってみなかったら、その後どういう結果になったか思い悩んで後悔したでしょうから。獲得してなかった唯一のメダル(欧州選で)金メダルに挑み、いくつもの要因が重なって手にはいらなかったけれど、挑戦してみたことには満足しています。あのような結果に終わって、失望は大きかったとしても、悔は全く残っていません。


Q:デトロイトについて、どのようないきさつで行くことになったか、予想と違っていた点等お話いただけますか?何故デトロイトなのですか?パスクワーレの存在ですか?例えばフーザルポーリのように、ミラノに残らなかったのはどういう理由なんでしょうか?


マッシモ: オリンピックシーズン後引退を考えた時に、僕がまず考えたのは、自分がとても上手くなじめていたリンクで、僕らのキャリアにとって非常に重要な役割を持ったパスクワーレとアンジェリカの元でした。将来に関して迷いはなかったです。チームがどのように働くか、アメリカでの生活経験などから、彼らのチームの一員にならないかとの誘いに、すぐさま飛びつきました。

デトロイトでのコーチ業にはリンクの設備が大きく関わっているのですが、3つのリンクとその他もろもろの設備はスケーターとして自ら体験済みで、コーチとしての自分のキャリアにとってデトロイトに行くことは最良の決断だと分かっていました。


Q:コーチとしてキス&クライに座るのはどんな気持ちですか?


マッシモ: 初期の頃キス&クライにいるのは少し変でした。自分は「何もやっていない」ので自分のいる場がないような気がしたのは、競技に出場していてキスクラに上がることに慣れていたからです。コーチとしてかなりの場数を踏んだ今では、それにも慣れましたが。

コーチとしての日常はいくつかの観点からはより「シンプル」で、と言うのも選手としてのストレスとは比べようがないからです。スケーターとしては自分のことだけ考えていれば良いのですが、コーチとしてはそれ以外にも多くのことを頭に入れていなければなりません。

例えば今回の世界選手権には5組の生徒が出場して居り、その全てをやりこなすのは精神的にも容易いことではありません。競技への準備ではコーチとしてのほうが選手としてよりも容易いのに対し、競技で音楽がかかると非常に厳しくなります。選手なら音楽がかかると同時にスタートして自分の調子は自覚しているわけですが、外から見ていると何が起きるか予測がつかないので、4分間が本当に長く感じられます!


Q:選手からコーチへ転進した人たちの多くが同じことを言っていますが、自分の生徒が氷上に立った瞬間からやるべきことは既に終了してしまって、自分は何も出来ないのである種の無力感を覚えると。


マッシモ:本当に、精神的には困難です。選手なら自分のパートナーとの交流もある。長年知っているので、一目で彼女の精神状態が見て取れ、向こうも僕の状態を一瞬のうちに見て取る。でも教える側は、生徒の考えていることを読み、どのような精神状態かを見極め、それに見合ったことを言わなければならない。精神的にストレスフルであると共にやりがいもあることです。

Q:自分がどんなコーチだと思いますか?厳しいタイプか、教え子を落ち着かせ力になるほうか...?


マッシモ: これまでに聞いた意見では、厳しさと教え子を支えたり落ち着かせる能力のバランスが取れているほうだと思います。それと僕はまだ始めたばかりでこれからまだ長いということ、時間が経てばもっと良く理解できると思います。

フェデリカと築いた10年の競技生活ではありとあらゆる逆境を経験して、少しぐらいの困難にはびくともしないので、難しい状況でも上手く対処する自信があるし、メダルへの挑戦という面だけではなく、人生の諸局面や、一番複雑なことなのだけれどトレーニングの管理まで。ともかくまわりの意見では上手くバランスが取れているらしいので、今後もこのままいければ良いと思っています!
.02 2012 イタリアンスケーター comment2 trackback0
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chicconeri

Author:chicconeri
1989年よりイタリア在住のフィギュアファン。本業はフリー通訳・翻訳者。

ジョニー・ウィアーとカロリーナ・コストナーを応援。MixiのCarolina Kostner コミュ管理人をしています。

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